Unityで挫折したワタシがゲームを作りきった、イカしたゲームエンジン3選。

アイキャッチ ゲーム開発


こんばんは。
ピクセルアニメクリエイターのおかか容疑者でございます。


現代はスゴイ時代ですよね。
プロが使っているような様々なツールが今や無料で入手できるようになり、「何かを始めること」のハードルがぐっと下がっています。

そのうちの一つがゲーム開発。
「Unity(ユニティ)」「UE(アンリアルエンジン)」といったゲームエンジンの名前をお聞きしたこともあるのではないでしょうか。
これらは商用として大きな利益が出ない限りは基本的に無料で使えるツールです。(2023年12月、Unityは料金改定について動きがあり、物議を醸しておりますが…。)
最近だと任天堂がSwitchでプログラミング用のソフトを出したりしていて、ゲームメーカーなども注力している様子がうかがえますね。


何を隠そう、ワタシも現在こそ離れてはいますが、過去に自作のゲーム開発をしております。
「面白いゲームを作る」、というより、「創作活動として」のゲーム開発ですね。
ワタシはドット絵を打っておりますので、ドット絵が活かせそうな分野だということもあり、また純粋に楽しそうだったというのもあります。



RPGツクールくらいは触ったことがありますが(そしてちょっとだけ作って最初の町の途中で終わりましたが)、ゲーム開発なぞ完全に未経験者のワタシ。
最初は「初心者でもオススメ!」ということで超有名ゲームエンジンのUnityを触ってみたんですが、なかなか思うように進まなくて時間ばかりかかってしまい、結局挫折。

そこからいろいろと調べる中でふと見つけたゲームエンジンを触ってみて、「これならできそう」という感覚があったんですね。


そんなワタシでもゲーム完成まで漕ぎ着けることができた、珠玉のゲームエンジン3つを本日はご紹介いたします。


大丈夫です。未経験でもゲームは作れる!!





インディゲームクリエイター(Clickteam Fusion2.5)

ワタシが最初にゲームを完成させた、記念すべきソフトがコチラ。

Clickteam fusion2.5(クリックチーム・フュージョン)です!(以下、CF2.5)







うんうん。
「何これ?」と思われた方が多数ではないでしょうか。そうよね。
ワタシも自分でゲームエンジン調べてみて初めて見つけましたもん。


しかし驚くなかれ。
このCF2.5、過去にはKlik&Play(1994年発売らしい)というソフトから始まっており、この時代には個人ゲーム開発にてかなりの人気を博していた模様です。

語り場 Klik&Play / Click&Createの思い出
コチラのサイト様でも証言がございますね。



さて、このCF2.5。何がスゴいのか。
ということですが、全てはこれに集約されるでしょう。





そう!
このソフト、なんとプログラミング知識不要でゲームを開発できてしまうのです!!
なんて先鋭的!!!



……などというのは少々(かなり?)語弊があるのですが。


ここで言う「プログラミング知識」というのは、いわゆる「コード」というやつですね。
真っ黒の画面に英語がブワーッと並んでいるアレです。

真っ黒の画面に英語がブワーッと並んでいるアレ

アレにカタカタ英語を打ち込んでゲーム開発するのと、実はやっていることはさほど変わりません。
(まあ、最近のゲームエンジンってマウスとかでビジュアル的に操作できる部分も多いので、だいぶステレオタイプな表現をしていますが…)


CF2.5の中にはあらかじめ「コマンド」という、キャラクターを動かしたりする機能がセットされているんですね。
それをどのタイミングで何に対して使うか。これをマウス操作で指示していくとゲームができていくわけです。
もしアナタがRPGツクールを経験していたなら、大体アレだと思えばOKでございます。
しかしコチラはRPGだけでなく、様々なジャンルのゲームが作成できる、という大きなメリットがあります。(得意・不得意はあります。というかRPG作るのはたぶんキツイ)
言うてRPGツクールも発想次第で別ジャンルも作れそうですが




ともかく、CF2.5にて、ワタシは一作目「Pagan Dogma(ペイガン・ドグマ)」 と、二作目「Pagan Dogma Ⅱ」を完成させることができました。
さすがに見返すと諸々なかなかヒドイものではありますが、この作品のおかげでワタシの創作世界は大きく広がったわけです。


CF2.5には無料版もございますので、興味がございましたら一度触ってみてください。
無料版はイベントの使える数に制限があるためキッチリしたゲームを仕上げるのは難しいですが、「こういう風に使えるのか」という体験としては十分役立つのではないかと。
ワタシもまずは体験版で「これ面白いな~」と思い、製品版を購入しました。
以前は冬が終わってもまだまだ続くウインターセールで安めに買えたのですが、さすがに現在は通常価格での販売でございますな。



LOVE2D

CF2.5にてゲーム開発を始めてみたワタシ。
2作完成させてみたところで、「もしかしてコード書く系のゲームエンジンも今ならイケるんじゃない…?」というちょっとした自信も湧いてきました。

てなわけで別のゲームエンジンを探してみていると、X(当時はTwitter)にてゲーム開発もなさっているドッターの方からオススメされたのがコチラ。
LOVE2Dでございます。



コレね。
当時Googleで検索すると、「もしかして:LIVE2D」って出てきて検索がすごくしづらかったんですよ!もしかしないんだよ!!

今はGoogleが賢くなってるのか情報量が増えたのか、普通にLOVE2Dの情報がいろいろと出てきます。よかった。



で、このLOVE2Dなんですけども。
もう完全にコードのみで動かすガチガチのやつです。
テキストエディタという、要はプログラミング用のメモ帳みたいなツール(Visual Studioというのを使いました)でコードを書くと。

言語はLuaという言語を使います。
このLuaというもの、全く知りませんでしたが、いわゆる「動的言語」と言われるもののようで、めっちゃ雑に言うと書き方がキッチリしてなくても動いてくれる便利なヤツです。
(それゆえ、エラーが出たときに自由度が高いせいで特定が難しくなったりするようですが…。)



これはできるのか……?という一抹の不安はあったものの、簡単らしいしとりあえずちょっと触ってみるか、ということでやってみることに。
学習に関してはとにかくコチラのサイトを参考にさせてもらいました。海外サイトなので当然全部英語です。だって日本語でスイスイ読める情報サイトがねえんだもんよ。ありがとうGoogle翻訳。
世界レベルで見ると「日本語で書かれている情報の量なんてものは本当にたかが知れているんだな」ということを痛感させられます。
あとLOVE2D公式のフォーラムでいろんな質問の回答を読んでみたり。某知恵袋よろしく、質問したいことというのは大抵誰かが先に質問しているものです。



最初は画面に図形を表示させるところから。
そしてキャラを表示させ、キャラを動かせるようにして……
とやっていくと、とりあえずどうにかやれるのでは?ということで突っ走っていきました。
複雑な機能の実装に関してはとにかくライブラリ(有志が提供しているデータ)をガンガン取り入れました。ゲームパッドの対応とか素人ができませんて。車輪の再発明する必要などなし。



実装においてはCF2.5での開発経験がめっちゃ役立ちました。ガチで。
コードを書こうがイベントで指定しようが、要は「どういう動きをしてほしいか」を指示しているだけだと気づいたんですね。
「CF2.5でこういうイベントがあったからLOVE2Dでも使いたいんだけど、これをLuaでどう書けばいいんだろう」と考えていくと、作業がだいぶ進めやすかったです。


このLOVE2Dで、3作目となるゲーム「Pagan Shooters(ペイガン・シューターズ)」をどうにか完成させることができました。だいたい一年がかり。
この作品を自分の代表作にしよう!というつもりで作りましたので、どの作品も思い入れはありますが、特に気に入っている作品と言えるかなと。
今作は一応友人にテストプレイをしてもらって意見ももらったりして調整してみました。キャラごとの感想とか教えてもらえるのはありがたいことですね。


アニメーションも簡素ながらできるだけ入れてみました。
LOVE2Dの場合はスプライトシートという、アニメーションの絵を一枚にまとめたものを使用します。
そのシートの中で「一枚の絵として使うのはこのサイズですよ」というのをコードで指定。それを時間で切り替えていくような形で作ります。
スプライトシート作成には無料Webサービスであるフォトコンバイン様にかなり助けてもらいました。
……が、2024年1月現在はスプライトシート作成サービスが使えなくなっておりますね。なんという…。




GDevelop

というわけで、なんとかコードを書いてゲームを作るというミッションを達成できたワタシ。
ここからガンガンコードを書いてガンガンゲーム開発をしまくる!!



……わけではなく。



まあ、大変は大変だったわけですよ。
やっぱりね、作るならできるだけ労力が少ない方がいいわけで。視覚的に何もわからない中で逐一ゲーム立ち上げながら確認作業していくのは、楽しいには楽しいんだけども手間はどうしてもかかってしまう。
貴重な経験になったのは間違いないですが、もう一作を作るならもうちょいラクに進めたいな、という気持ちはありました。
CF2.5に戻るのも手ですが、諸々気になるポイントのあるツールだというのは自分でやってみて理解しているので、あまり気が乗らない。

そんな中、ふと、Xでちょっとだけ見かけた新しいツールのことを思い出します。

それが3つめに紹介するゲームエンジン、GDevelopです。




コチラのゲームエンジンも使い方としてはCF2.5とかなり似ている、ノーコードのエンジンです。
しかしながらさすが後発というべきか、機能面がかなり充実している。
その上、基本無料で大部分の機能が使用できて、容量面での制限もナシ。

……すごくない??
(有料会員になるとビルド回数が増えたり、プレビューの際に「サブスクしてね!」のお知らせが消えたりします)



GDevelopの開発会社のCEOはFlorian Rival (フロリアン・リヴァル?)さんという方で、Google・Metaにてシステムエンジニアをしていたというヤバイ級プログラマー。
バリバリコーディングをなさっているはずですが、そういう方がノーコードのゲームエンジンを新規に立ち上げた、というのは興味深い点ですね。今後の需要を見込んでの挑戦なのでしょう。



情報を見た時に興味はあったのですがしっかり調べていなかったので、試しにチュートリアルを触ってみて、「コイツは強え。オレにはわかる」という確証が得られました。
GUI(視覚的(グラフィカル)に操作ができるインターフェース)なので操作しやすいのがありがたい。


ゲームエンジンの大事なポイントとして“ビルド”があります。
GDevelopは開発したゲームをブラウザ用や、PC用のexeファイルとしても出力できますが、なんとapkファイル(Androidアプリ用の形式)でも出力できるのです。


ワタシの過去作はすべてPCだけで遊べるゲームでした。そのため次に作るならスマホアプリとしても遊べるようにしたいな、という思いがありまして。
通常のゲームエンジンですと「Android Studio」というツールを介して何やかんややらないといけないみたい(ちょっとだけ触りましたが途中で止めた)ですが、GDevelopはコレ単体で出力OK。
ゲーム内容の作り込みで時間を使うのはいいですが、その他の部分で時間を取られるのは本当耐え難いのでめっちゃ助かります。
iOSの方は今後対応するのか未定ですが、Androidだけでも遊べるようになるというのは非常に魅力的でした。



今回は特にCF2.5の経験が強く活きて、割と順調に開発が進行。
グラフィック面も前作よりだいぶ質を下げたのもあり、だいたい半年くらいで4作目の「Pagan Shooters SP(ペイガン・シューターズ・エスピー)」が完成できました。
(Androidと、PCとをそれぞれ配信しています。)


ワタシの創作世界ってそれなりには設定があるんですが、あまり制約のない世界なので、どうせなら「よそのこ」(他の方が創られた一次創作のキャラクター)も好きなように暴れてもらえたらいいなぁ。ということも考えていまして。
その考えを少しだけでも取り入れてみようかということで、Xでうちのこをお持ちのフォロワーさん数名に連絡を取り、3名(+α)のコラボキャラクターをプレイアブルとして実装することができました。


現代はスプレッドシートを共有することで、こちらが聞いておきたいことを先にシートに記載しておく。
その後、お相手様のお時間があるときにシートに記入していただいて連絡をもらう。
という形にすると必要なデータを集めることができます。
文明の利器もどんどん活用していくべきですね!




前作までのゲームはXでの反応はほとんど無かったんですが、スマホ対応にした今作はチラホラと遊んでみたというポスト(当時はツイート)が見られて、やっぱりスマホで手軽に触れてもらえるってのは現代だとすごい大事なんだなと思わされましたね。
よくよく考えるとそもそもPCを持ってない人もそれなりにいるでしょうし、PCとか家庭用ゲーム機でゲームするのって腰を据えてガッツリやる、みたいなイメージがありますしね。
ライトなゲームならスマホで提供した方がええやろなと。
その点でもワタシのはだいぶライトなゲームなので、カジュアル向けなのかヘビー向けなのかという観点で見てみるのも大事だな、と勉強になりました。




まとめ

今回は「有名どころ以外にも、こういうゲームエンジンがあるよ」というお話をいたしました。
思い出語りも込みでしたので予定以上に文字数がえらいことになってしまいましたね……。失礼。


ただ、まずは少し触ってみて「自分でもできそうだ」と思えること、そして実際に今できることを組み合わせてとにかく完成させてみること。ここはどんな分野でもすごく大事になるんじゃないかな、と思っております。
アナタも、今回挙げたゲームエンジン、Clickteam Fusion2.5・LOVE2D・GDevelopのどれかに興味を持たれたなら、ぜひ一度触ってみてください。
拙いものでも、世界に2つとない自分だけのゲームがあるというのは、なかなか誇らしい気持ちになれますよ。




さて…そろそろお時間です。
またのご面会、心よりお待ちしております。

この記事がお気に召したなら、

ギャラリーからワタシの作品を見ていただいたり、

Misskeyアカウント(@daidaimyou)
Caraアカウント
X(旧Twitter)アカウント(低浮上)(@daidaimyou)

をフォローいただけますと脱獄の励みになります。よろしくお願いいたします。

ドット絵(一枚絵・アニメーション)制作のお仕事も承っております。
お仕事依頼ページよりご連絡くださいませ。(現在受付停止中)

コメント

タイトルとURLをコピーしました