「速く」なるために必要な3つの要素。~「BORN TO RUN」を読んで~

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こんばんは。
ピクセルアニメクリエイターのおかか容疑者でございます。


スポーツの秋!


ということで、現在10月。何かしら運動をしたいという気持ちが湧き上がってくる季節でございますね。
しかし秋は食欲の秋!でもある。
やっぱり動くのは億劫だなあ……。



という気持ちに檄を飛ばしてくれるこの一冊!



ここでもたびたび名前を上げさせてもらっているジャーナリストの佐々木俊尚さんが、「この本は凄かった」と感想をこぼしておりまして。
この方がそこまで言うのであれば名著なのは違いないだろう。
そう思って読んでみることといたしました。


読んでみてよくわかりました。
この本、スゲェわ。本当。いろんな意味で。




というわけで今回は「BORN TO RUN 走るために生まれた」(クリストファー・ マクドゥーガル)について語ってまいりましょう。




全体の感想

この本は「走る」ことについてのノンフィクション小説です。
とあるウルトラマラソンを題材として物語が展開していきます。序盤・中盤・終盤で大きく3つにテーマが分かれている構成。


序盤は「走る民族」タラウマラ族を探すお話。
少なすぎる情報の中、どうやって彼らを見つけるのか?ガッツリ冒険小説であり、非常に読み応えがあります。

中盤は本編の流れから少しだけ離れ、様々な情報を読者に伝えるといった形に。
走ることについての意外な情報や、最高の舞台に参加するアメリカのランナー達の経緯を見ていくお話。過去の話を知ることで、各ランナーへの興味がさらに増します。

そして終盤にて、アメリカ&タラウマラの夢のレースについて語られていきます。
波瀾万丈のレース展開。各走者に襲い掛かるアクシデントの数々。果たして誰がトップの座に輝くのか!?


もうね、読み物として非常に面白い!
最初から最後まで至るところで登場人物たちが生死の境をさまよっており、幾度もハラハラさせられます。
これは途中の回想シーンでの話となりますが、デスバレーでのバッドウォーターマラソンの話なんかは「もう無茶苦茶やな……」と思わされます。特に参加者である博士の休憩の仕方なんかは悪趣味すぎて笑ってしまうこと請け合い。

あまりにも非現実的なウルトラマラソンワールド。しかし世の中にはこういうものに参加している狂人たちもいるのだな。という事実を知ることができます。
靴を脱ぎ捨てて走りたくなる一冊です!




注目ポイント

それでは今回の注目ポイント。
「パート17」より一部引用いたします。


「レッスン2」カバーヨが叫んだ。
「楽に、軽く、スムーズに、速く、と考えるんだ。
まずは〝楽に〟から。それだけ身につければ、まあ何とかなる。
つぎに、〝軽く〟に取り組む。軽々と走れるように、丘の高さとか、目的地の遠さとかは気にしないことだ。
それをしばらく練習して、練習していることを忘れるくらいになったら、今度は〝スムーズ〟だ。
最後の項目については心配しなくていい――その三つがそろえば、きっと速くなる」

「BORN TO RUN 走るために生まれた」(クリストファー・ マクドゥーガル)

この物語にはカバーヨという謎の多い人物が登場します。
彼から著者に対しての走り方のアドバイスです。


現代を生きる多くの人はそうだと思うのですが、ワタシもやはり物事を効率よく進めたいと考えてしまうタチでして。
とにかく「速さ」から追い求めてしまうんですよね。
このカバーヨの言葉はそうして悩むワタシの前に現れ、心に強烈に吹きかかってまいりました。


楽に、軽く、スムーズに。
これは走り方のアドバイスなのですが、おそらく自分のやりたいこと全般に対して重要となる心構えなのではないかなと。
「楽に」の部分は「楽しく」と置き換えても良いのかなと思います。


まずはやりたい事に対して楽しく取り組んでみる。
上手くできるかどうかというのはまずは置いておく。

次に軽くしてみる。
やっていく中で「やりづらいと思う部分」や「障害になっている部分」を少しずつ取り除いてみる、という感じでしょうか。

そしてスムーズに。
これはいろいろ解釈ができそうな部分ですが、「習慣にする」という意味合いが個人的にはしっくりきました。「練習していることを忘れるくらい」とカバーヨが話しているので、こういう意識が持てていれば自然とスムーズになっているのではないかなと。

楽しむ気持ち。障害の排除。習慣化。
この3つが揃えば、あとは自然に速くなる、と。

何かに取り組むときはこの3つの要素が必要なのではないか。
物事を速く進めたい。こういう気持ちの焦りはよく持ってしまうのですが、どうすれば速くできるようになるのか?
その具体的な指針として、カバーヨの教えは良きものとなりそうです。


そして今こうして見直してみると、この3つの要素はどれもあまり目的を明確に意識していない、とも言えそうですね。
この点を踏まえると、
目的を達成することに主眼を置くのでなく、長く走り続けることを第一に考える。
走り続けた結果として、速く達成できるようになっている。
というイメージが浮かびます。

これは実際事実でもありそうです。
目的が遥か彼方にある人はそこに到達するため、道中をどうしても速く駆け抜けてクリアしていく必要があります。
だから周りの人からはすごい勢いでいろんな目標を達成していくように見えるわけですが、当人はまだまだ道半ば。
達成しているのは結果論なわけですね。


「継続は力なり」という言葉はあまりにも陳腐化していますが、この言葉の重みというのを今一度噛みしめたい。そう思わされる部分でございました。





まとめ

本日は「BORN TO RUN 走るために生まれた」について語らせていただきました。


注目ポイントではなんか小難しい話をしてしまいましたが、実際の中身はそんな細かいことは気にしなくて全然OK。
心からワクワクドキドキが味わえる素晴らしい小説となっております。
「現実味のない現実」を知ってみたいという方は是非に。チアシードを買ってみたくなりますよ(ワタシは買いました)。






さて…そろそろお時間です。
またのご面会、心よりお待ちしております。

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