GDevelopで簡単なゲームを作ろう・24 ~ゲームを公開しよう~

アイキャッチ GDevelop


こんばんは。
ピクセルアニメクリエイターのおかか容疑者でございます。


GDevelopで簡単なゲームを作ろう企画。
前回「GDevelopで簡単なゲームを作ろう・23 ~データのセーブとロード~ 」では、多くのゲームで必要になるであろうセーブ・ロード機能を、GDevelopのストレージにデータを保存する形で実装する方法をお話ししました。
ゲームと直接関係ない部分であり難しそうなイメージがあるかもしれませんが、その解決に役立ちますと幸いです。


では、今回がこの企画の最終回となります。
完成させたゲームを他の人が遊べるように公開していきましょう。


※GDevelopのバージョンは5.4.205です。






公開前のゲームの修正

まずはゲームの最終チェックから。
前回でもお話ししておりますが、前回作成したセーブ機能は公開の際には実装しません。



ですので、セーブとロードに関するイベントをDキーで無効にしておきましょう。

そして、ゲーム画面に設置した「ロードしました」のテキストと、タイトル画面に設置した「セーブしました」のテキストも削除しておきます。





次にゲームバランスの調整。

何度かテストで遊んでみて、制限時間が少々厳しいかな?という点と、PlayerBの移動速度が遅すぎてストレスがあったので、シーン変数「limit_time」を「70」に、PlayerBの速度を「250」に変更してみました。
これでだいぶクリアしやすいゲームになったと思います。





ついでにプレイヤーセレクトについての解説がなくて意味不明になりそうですので、新規テキストにて補足説明を増やしておきました。
キャラクターの簡単な特徴と、セレクトの方法だけ書いておきます。





gd.gamesにゲームを公開する

これで今回のサンプルゲーム「Curly Pear(カーリーピア)」が完成しました!


というわけでさっそく公開をしていきましょう。
まずは「gd.games」への公開の方法。次にそれ以外の形式での方法をお話ししてまいりますね。



gd.gamesというのはGDevelopのゲームがいっぱい公開されている、GDevelop公式のプラットフォームです。コチラからご覧ください。
おそらくGDevelop開発以外のゲームは上げられていないので、「他の開発者はGDevelopでこんなゲームを作ってるのか」という発見もあるでしょう。
気分転換として気になった作品を遊んでみるのも楽しいものです。



では本題に戻りますか。

ゲームを公開する際には、ゲームを「ビルド」する必要がございます。
ビルドというのは「ゲームのファイル形式を変化させて、他の人が遊べるファイルを作る」ような意味合いですな。
現状のこのゲームはあくまでGDevelopのプロジェクトのファイルですので、これを要はスマホアプリみたいな形式に変えてあげる。みたいなイメージで捉えております。詳しくは知りませんが。





なんだか難しそうに思えるかもしれませんが、別段そんなこともございません。
ゲームをビルドするには、画面の上の方にある「プレビュー」の右側、「共有」というボタンを押してみて下さい。







共有のウインドウが開きます。
今回は「gd.games」を選びましょう。わざわざ表示されているように「とっても簡単」です。





このような画面に移ります。
「リンクを生成する」を押した時点でゲームがgd.gamesにアップロードされます。
(この場合ですとビルドのための時間が表示されません。
もともとGDevelopで遊べる形式のため、ビルドして形式を変換する必要がないのだと思われます。)





はい、これでゲームの公開ができました!はやい!!


…とはいえ、現在はいわばYoutubeで言う「限定公開」というやつですね。
ここに表示されているURLを知っている人だけがアクセスできるという状態です。
注意書きにありますように、この状態にしておいて何人かにテストプレイしてもらう。などという使い方ができますね。


今回は完全に公開したいので、このまま右下の「確認してgd.gamesに公開」ボタンを押しましょう。





ゲーム情報の入力画面に移ります。
これはプロジェクトマネージャーの「プロパティ」などにも出てくる項目ですので、前もって入力しておいてもOKです。





必要そうな情報を一通り付けてみました。
入力できたらいよいよ公開です。右下の「プロジェクトを保存して公開」ボタンを押しましょう。




ちなみにサムネイル画像を付けたい場合は、先にプロジェクトマネージャーの「アイコンとサムネイル」から画像を設定しておきましょう。
gd.games及び他の形式でのアイコン設定欄が表示されますので、必要なものを適切なサイズで入れておいてください。




これで完全に公開ができました!
公開後のゲームをより良くするための仕組みもいろいろあるみたいですので、必要なものは設定しておいてくださいませ。




右上の「開く」を押すことで、実際にgd.gamesに公開されたCurly Pearが遊べます!
ブラウザゲームですのでPCでもスマホでも遊ぶことができます。

ワタシの最初のゲームはブラウザゲームでして、もともとはPC用のゲームでした。
それを後にスマホでも操作できるように自前でUIを作ってみたりしたんですが、初めてスマホで遊べるようになったときの感動は大きかったですねえ。
大げさではなく、「うおっ本当にスマホで動いてる!!」というあの感覚はいろんな方に経験してもらいたいものです。うんうん。



…………このゲーム、いざスマホで遊んでみると、Playerが横向きしかならない&ナナメ移動しかできなくて結構問題ですね。
サンプル作品だからとりあえずヨシ!!と思ったのですが、それもそれで少々問題ですので、応急処置となりますがタッチによる移動のイベントに手を加えてみました。
本筋とは離れますので折りたたんでおきましょうか。ご興味がありましたら見てみてくださいませ。


移動イベントの修正。左の矢印をクリックすると開きます。

Playerの位置とタッチした位置をもとにした角度を参照して、Playerの移動を変更したいと考えました。
まずはシーン変数に、この角度を表示するための変数「touch_kakudo」を作成します。



次に「プレイヤーの移動」イベントグループへ移ります。
ボタン以外の部分でタッチが行われている間は常にこの変数の値を変更したいです。
ですので、「タッチされている間はtouch_kakudoの値を変更する」というイベントを作成します。


今回の値に使用しているのは「数学的ツール」の「2点間の角度」でございます。
この項目を選択すると「最初の位置のX・Y座標」と「2つめの位置のX・Y座標」を入力するウインドウが現れます。
最初の位置にはPlayerの位置、2つめの位置にはカーソルの位置(「cursor」というのがカーソルを表しています)を入れてやるとこのような式になります。




そしてタッチによる移動の部分を修正しましょう。
以前はタッチの位置がPlayerのX・Y座標より上か下か、という判定で作っておりました。
その部分を削除して、新たに「変数touch_kakudoがいくつのときか」、という条件に変更しました。





この「2点間の角度」なのですが。
調べてみて少々厄介だったのが、いつものGDevelopの角度の数値とちょっと異なっているのです。
非常にざっくりとした図を置いておきます。下半分はいつものと同じ数値なのですが、上半分が下半分の値のマイナスの値となっているのですね。


これを加味してどうにか作ってみたものが先のイベントの条件となります。
条件の指定が雑ですので基本的にナナメ移動ができない四方向仕様ですが、条件の都合で右上のみナナメ移動ができるというなかなかにスパイシーな作りとなりました。
これによってちゃんと上下にもショットが発射できるようになりましたので、今回はここまでで完了といたしますね。条件をもっと作りこめばどんどん改良できるかと思います。




gd.games以外へのエクスポート

というわけで、gd.gamesへの投稿はとても簡単に行うことができます。
同様に、他の媒体でも遊ぶことができるようにビルドしたものも作成してみましょう。とはいえそこまで大きな違いはありません。
今回はWindowsPC用のゲームをエクスポートする方法をお話ししますね。




まずは先ほどと同様に「共有」ボタンを押します。
PC用のゲームを作りたいので、一覧の中から今回は「パソコン」を選びましょう。



次にビルド方法が表示されます。
簡単に越したことはないので「ワンクリックパッケージ」を選びましょう。





すると、開いたウインドウにて警告が出ておりますね。
パッケージ名を変えた方がいいよ、という話ですので、先にコレを変更しておいた方がよさそうです。




このパッケージ名というのはプロジェクトマネージャーから開ける「プロパティ」の中にございます。
「〇〇.△△.××」という、ドットで3つ区切った書き方が必須のようですが、文字は英語ならば何でもよいと思われます。




とりあえずゲームのタイトルを分けて書いてみました。
何か違う気もしますが、気にする人もいないと思うので好きに書いてみましょう。




パッケージ名を変更してまた「共有」から同じ流れで進みますとさっきの警告が消えます。
あとはWindows・Mac・Linuxの中からエクスポートしたい形式を選んで「インストールファイルを作成」ボタンを押しましょう。今回はWindowsのインストーラー形式にしますね。
少々時間がかかりますので、他の事をしながらビルドが完了するまで待機です。




ワタシが有料プランに加入しているので、上画像ではビルド回数が1日あたり10回となっております。
無料プランですと1日あたり2回のビルドが可能です。
本格的な開発でなければ無料プランで問題はないでしょう。

ビルドが完了したらこのようにダウンロードのボタンが表示されます。
コチラをクリックしてインストールファイルを入手しましょう。





インストールファイルを開くとゲームが開始します!
ワンクリックパッケージを使うことで、Windows向けのゲームならばこれまたカンタンにゲームを出力することができますね。
※他の形式では試したことがございません。
特にスマホ向けのアプリは(過去の経験から言って)おそらくいろいろと手順が増えるかと思いますので、早い段階で一度ビルド完了まで試しておくとよいかと思います。




蛇足ながら、このように出力したゲームを知人以外にどうやって遊んでもらうか?についても少しだけ。
一番わかりやすいのは「フリーゲームを投稿できるプラットフォームに上げる」ではないかと思います。
日本向けですと「ふりーむ」さんや、「Plicy」さんなど。
海外向けですと「itch.io」さんなどがございます。
こういったプラットフォームにゲームを上げておけば、あとはリンクを貼ったりしてそのURLを伝えるだけで他の方にもゲームを遊んでもらえるようになりますね。





おわりに

ゲームを完成させ、他の人にも遊んでもらうことができるようになりました。
これにて今回の企画は終了となります。
お疲れ様でした!



今回作ったゲーム「Curly Pear」は、実際に遊んでもらえればおわかりだと思いますが、正直に言って凡ゲーです。
人によってはク〇ゲー呼ばわりしてもおかしくない出来でしょう。
一通り遊べはするけど、とても面白いというゲームでもない。シンプルなゲームです。


ですが、ゲームというのは常に発展途上。
アナタのアイデア、そして追加する具体的な方法さえあれば、どんな追加要素でも増やしていくことができます。
まずは土台を作る。そこからどんどん楽しくしていく。
今回はシューティングゲームの作成ということで、もしかしたら他ジャンルには応用がしにくい分野かもしれません。
しかしゲーム開発の最初から終わりまでの一連の流れは伝えられたと思っております。

仕事としてのゲーム開発であれば別ですが、個人開発であれば時間をかけて作ることができます。
アナタの理想形を目指して、少しずつ変化をさせていってみてくださいね。
その中で、今回の企画で話したことが何かしら活かされたらワタシも嬉しいです。




そして、こんなシンプルなゲームを作るだけでも裏ではいろいろと開発者は苦労をしております。
ワタシが企画中でいろいろとやらかしておりますね(今回もスマホ操作でやらかしています)。
ここまでお読みになったアナタは、その大変さを多少なり知っているはずです。

ユーザーは完成品にしか触れる機会がありません。ですので開発の大変な部分を知ることもありません。
もしアナタが実際にゲーム開発をしなくとも、この裏の部分が少しでも理解してもらえたら、この企画の意義はあったのではないかな。と思っております。
ワタシのことはともかく、他のゲーム開発者さん(大手・個人問わず)に対して少しでもリスペクトの念をもってもらえたら、ゲーム界隈はもう少し柔らかくなるかな。と。

そしてこれはゲーム開発だけの話ではございません。
どんな制作物でも、実際に経験した人でないと裏の苦労はわからない。
このことを理解する人が増えたら、外野からヤジを飛ばすような人も減って世の中全体がちょっと暮らしやすくなるのではないかな。とも思ったりしました。














最後に唐突に宣伝!!
これだけ書いてきたんだからちょっとくらいいいよね



今回の企画のゲームを、さらにいろいろと追加要素を入れて作っていくと。



Pagan Shooters SP | Play on gd.games
Play Pagan Shooters SP on gd.games, a game created with GDevelop, the free and easy game-making app.

こういうゲームができます!!!


今回の企画はこのゲーム「Pagan Shooters SP(ペイガンシューターズエスピー)」の作り方を通じてワタシが学んだ話をまとめたものでもあります。
てなわけでワタシ自身の備忘録でもあるのですね。




開発ゲームの画像
開発ゲームの画像
開発ゲームの画像

コラボキャラクター含めた多数のキャラクターがよくしゃべるシンプルシューティングゲーム!スマホでもPCでもOK!
ゲーム内マニュアルもございますので遊び方もバッチリわかる仕様となっております。
gd.gamesで遊べますので遊んでみてね!





まとめ

・完成したらgd.gamesにゲームをアップロードしてみよう!

・ゲームをビルドして他の媒体でも遊んでもらおう!

これにて、「GDevelopで簡単なゲームを作ろう」企画が終了となります。
改めてお疲れ様でございました。



ワタシも未だわからないところだらけの素人なのですが、それ故に初心者目線でとにかく作っていったらどうなるか?という部分がリアリティをもって伝えられたのではないか。と思います。

何事もまずはやってみなきゃわからない。
出ない神ゲーより出る凡ゲー。

とにかく自分なりに考えて必死にやってみたことは、絶対に後の人生で活きてきます。
別にGDevelopでなくてもいい。そしてゲーム開発でなくてもいい。
まずは手を動かして、何か創ってみませんか。




創作を続けるアナタに幸あれ!!




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さて…そろそろお時間です。
またのご面会、心よりお待ちしております。

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