「勇者の旅」に出よう。~「メンタル・タフネス」を読んで~

作業法・思考


こんばんは。
ピクセルアニメクリエイターのおかか容疑者でございます。


忙しい日々の中、時間に追われて生活している方は多いであろう現代。
自分のやりたいことをやるためにはどうするか?そう、時間管理が必要ですね。
しかし、時間管理だけで果たして十分なのでしょうか?


時間に余裕が作れても、自分が実際に活動できなければ意味がない。
大切なのは動くためにエネルギーを確保すること。これって割と軽視してしまいますが、厳然たる事実だと思います。


今回の本は時間管理のプロであるJMatsuzakiさんがイチオシなさっていたものとなります。
Jさんは「タスクシュート」というシステムを提供し、時間の使い方の改善を促す試みをなさっている方です。
そのような時間のプロが敢えて、「時間管理の本」ではなく「エネルギーの本」を紹介されている。ここにこの本の素晴らしさが垣間見えるのではないかなと。




というわけで本日は、「メンタル・タフネス 成功と幸せのための4つのエネルギー管理術」(ジム・レーヤー、トニー・シュワルツ)についてご紹介いたしましょう。

完全に余談ながら、ワタシはJさんの話し方の影響を強く受けている、リスペクトオブリスペクトなお方の一人です。さすがにご本人ほどのエレガントな語りはできておりませんが…。



全体の感想

著者のジム・レーヤーさんはスポーツ心理学の専門家とのことです。その研究結果をもって、現在はビジネスなどの幅広い分野でその知見を活かしておられるとのこと。
自身の会社を立ち上げて、同じく著者のトニー・シュワルツさんらと共に、多くの方々のパフォーマンスを上げるためのプログラムを考えておられるようです。
そのための理論が「エネルギー」というわけですね。


この本は表紙にもあるように、「4つのエネルギー」を管理して自身のパフォーマンスを上げよう。という内容となっております。
4つのエネルギーとは、肉体・情動・頭脳・精神。
肉体のエネルギーというのはわかりやすいですね。基本的な体力や体調などの部分です。
他のものをざっくりと紹介しておくと、情動は自信やポジティブな思考といった部分。
頭脳は行動の方向性や決断力といった部分。
精神は自分が何のために行動しているのか?という、生きる目的のような部分となります。


本の中では様々なクライアントが登場します。そしてそれぞれのケースについて、著者が具体的に解決へ導く過程が書かれております。
すぐに怒ってしまう、自信が持てない、人の話を聞けない………
誰もが陥るであろう普遍的な悩み。これらをどのように改善していくか。
この本を読んでみると、自身の問題を解決する糸口が見つかるかもしれませんね。


クライアントとの逸話には泣ける話も盛り込まれております。ワタシは内容を思い出すために二度目の通読でしたがまた泣けました。
全てのエネルギーを満たした「フル・エンゲージメント」の状態となるにはどうすべきなのか?今後の人生の指針を決めるためにもお勧めの一冊です。



注目ポイント

それでは今回の注目ポイント。
「第8章 ステップ1 目標を定める」より引用いたします。



人間にとって最も大きな挑戦は自己変革だ。
勇者の旅は、何かのきっかけで「私は変わらなくてはいけない」と気づいたときに始まる。そのきっかけは思いつきであったり、不快さや痛みであったりする。
キャンベルはそれを「冒険への招待」と呼ぶ。その招きに応じることを決めたとき、私たちは未知の領域へと踏み込むことになる。
旅の途中では、疑い、不安、恐怖、苦痛に直面する。ある地点までくると自分一人では旅を続けられないことに気づき、「メンター」(相談相手)に助言を求めるようになる。
さまざまな困難が押し寄せて、旅をあきらめる寸前まで何度も追い込まれるが、最大の試練のなかで人はついに悪魔を退治する──自分の内なる闇に敢然と立ち向かい、それまでは使うことを知らなかった自分の能力を引き出し、以前は見えていなかったものに意味を見出すのである。
私たちはこの成果をかみしめ、喜ぶことになるが、旅はここで終わるわけではない。目標の実現をめざす旅は生きているかぎり続く。真の勇者は次の「冒険への招待」が来るのを常に待ちかまえている。

「メンタル・タフネス 成功と幸せのための4つのエネルギー管理術」(ジム・レーヤー、トニー・シュワルツ)

哲学者・神話学者のジョセフ・キャンベルさんが語る「勇者の旅」というもののまとめです。かっこいい。


ここで語られる「勇者の旅」は、特殊な血筋も王様からの依頼も必要ありません。誰でも、いつでも始める事ができます。
そのスタートに必要なのは「自己変革」の意識。何かを変えなくては、という強い意志です。変革の意識に導かれて、我々は様々な旅を始めます。
その道中は単純なものではないことがほとんどです。いろんな困難が押し寄せてきます。
何度も「やめよう」と思うものの、これまたいろんなキッカケでどうにか冒険を続けられる。そして最終的には「悪魔を退治する」。すなわち目標を達成する(もしくは達成できずとも、相応の見返りが得られる)、ということですね。
その時は「良かった」と喜びを嚙み締める。しかし人生はそこで終わりではありません。きっとまた、新たな「勇者の旅」が待っていることでしょう。
先の旅の経験も元にして、また新たな旅に出る。こういう人生はきっと面白いはずです。


ワタシ個人の話ですと、個人ゲーム開発をしていたときがまさに「勇者の旅」だったなと思い出されます。
少し触ってみて「これならできそうだな」という感触を得てからのスタートでしたが、それでも毎日のように問題がいっぱい出てきました。
このシステムはどうやって実装すべきか?UIの作り方ってどうやるんだ?ここのバランス悪くない?などなど……。
しかしながら現代はメンターはおらずとも、情報はネットで集められます。メンターが必要になっても、フォーラムや掲示板などで有識者に質問を送ることだってできます。
一つ一つの困難に答えを出しながら、未熟極まりないながらもどうにか作品として形に残すことができました。この経験はまさしくワタシにとっての勇者の旅であっただろうなと。
今現在はゲーム開発という旅は中断しておりますが、これを良き経験として同じ道かはたまた別の道か、新しい旅に出ていくことになるのでしょう。

うまくいくかは全くわからない。しかしとにかくできるだけ挑戦してみる。
こういう期待と不安が入り混じっている時って本当に楽しいものです。



しかしこの本では「勇者の旅」について、「残念ながら多くの人は勇者の旅に出ない」と語っております。
なぜか?単純な話です。「みんな忙しすぎて、勇者の旅に出る余裕がないのだ」と。
日々の仕事や雑務に追われて、「自分は何ができるのか?」を考えることすらない、という人がほとんどであると。
これは嘆かわしい話です。


この本はエネルギーの高め方などを紹介しております。
自分のエネルギーを確保し、本当に自分の成したいことにそのエネルギーを費やす。
これができないと、本当に自分の望む人生は達成できないのだろうな。と考えさせられる部分でした。



まとめ

本日は「メンタル・タフネス 成功と幸せのための4つのエネルギー管理術」についてお話しいたしました。


今回ご紹介した「勇者の旅」の話はあくまで一部です。
クライアントの方との問題解決部分では、どの部分のエネルギーが不足しているか?を考え、実際に何をしたかの記録がまとめられております。
その人その人に合った方法は違うと思いますが、アナタが似たような悩みを抱えていたら、もしかしたらその行動を真似てみると良い結果がもたらされるかもしれません。
小難しい本ではございませんので、純粋に読み物として楽しめる一冊だと思います。





さて…そろそろお時間です。
またのご面会、心よりお待ちしております。

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