モノを減らすことの意義。~「ぼくたちに、もうモノは必要ない」を読んで~

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こんばんは。
ピクセルアニメクリエイターのおかか容疑者でございます。


部屋の整理、できてますか?


多くの方が先延ばしにしてしまっているのであろう、部屋の片づけ。
ワタシもまた例外ではなく、長く部屋の状態は荒れるがままでした。
ついでに言うと、何となく「片づけなきゃな…」とは思っているものの、実際に整理整頓していくほどの意志を持つ気はなかった。と言ってよいでしょう。


しかし、以前ポッドキャスト(Voicy)にて、よくお話を聴かせていただいているMBさんが部屋の整理についてお話しなさってたんですよね。
僕が部屋を綺麗にする理由 | MB「MBの『もっと幸せに働こう』‼️」/ Voicy – 音声プラットフォーム


ここから少し部屋の整理について興味が出てきまして。
「部屋の整理」といえば、連想するものは。
そう。「ミニマリスト」と呼ばれる方々のことです。


ミニマリストというワードは時折耳にしますし、最近どんどん増えていっているということも存じております。
が、彼らの考え方というものに触れたことがございません。
気になってまいりましたので、この機会に本を一冊読んで、なぜ彼らはミニマリストとして生活しているのか?を知ってみようと思い立ちました。






というわけで本日は、「ぼくたちに、もうモノは必要ない。- 断捨離からミニマリストへ -」(佐々木 典士)について語ってまいりましょう。





全体の感想

冒頭でお話しした通り、この本はミニマリズム、ミニマリストについての本となっております。


著者の佐々木 典士(ささき ふみお)さんももちろんミニマリストとしてモノの無い部屋を実践しておられる方ですね。
本の冒頭から、著者含めいろんなミニマリストの実際の部屋をカラー写真で見ることができます。
当たり前ながら、「本当に物がないんだな」というのを視覚的にまざまざと見せつけられますね。
その中でも持っている「本当に必要な物」の紹介だったり、部屋の色合いの考え方などの解説も面白いです。


という話をしますと、こういったミニマリストの方々はもともと部屋の整理が好きなのでは?という疑問もあるかと思います。
しかし少なくとも著者に関しては全然そんなことはなく、もともと「汚部屋」出身であったことを、これまた実際の写真とともに告白しておられます。

いつか使うかもしれないから取っておこうと思うモノ。自分をよりよく見せたいがために、使わないけど置いているモノ…

こういったモノに囲まれている人は本当に多いと思います。ワタシもだいぶ部屋がスッキリしてきましたが、全ては整理できていません。アナタもきっとそうなのでは。


この本では「捨てる」という行為、また「物についての考え方」へのマインドセットとしてかなり刺激を与えてくれます。
不要なモノを置いていることでどのような不利益が生じているのか。なぜ持っているモノを捨てられないのか。
これらを文章化してくださっている点が非常によいです。

もちろん、「どのように捨てていくか」も多くのポイントを解説しておられます。
「捨てるのも技術」と著者は話しておられます。少しでも考え方を知るだけで、かなりモノが捨てやすくなるはずです。


「ただモノを捨てていっただけで人生が変わった」
と語る著者。
そして最終章には「幸せ」についての話となり、ミニマリズムが幸せにどう影響するかなども語られております。
話の内容はミニマルについてですが、スケールは壮大ですね。


ミニマリズムを実践する必要は人それぞれ。
ですが、考え方のひとつとして覚えておくとモノに対する向き合い方が変わるんじゃないかな。という本です。




注目ポイント

それでは今回の注目ポイント。
「Chapter3」より引用いたします。



5万年前のハードウェアである人に、たくさんのやるべきことを指示すれば、固まって動けなくなってしまうのも当然だ。
やるべきことがたくさんあれば、めんどくさくなり、やる気は失われていく。
「めんどくさい」とは、ぼくはやるべきTODOリストが多すぎる状態、またはやるべき大事なことがあるのに雑事に阻まれてそれに辿りつけない状態だとぼくは考えている。

「ぼくたちに、もうモノは必要ない。 - 断捨離からミニマリストへ -」(佐々木 典士)

背景情報を少し話しておきましょうか。


基本的に「人間の脳」というものはおよそ5万年前から変化していないようです。「5万年前のハードウェア」というのは人間の脳のことを指しているわけですね。
そして、現在はインターネットの発達などにより飛び交う情報量がハンパない。著者によりますと、現在の一日に得られる情報量は江戸時代のころの「一年分」相当(もしくはそれ以上)になるとか。
「情報化社会」とはよく言われますが、こうして比較するとこの言葉の重みがわかりますね…。


この部分で語られているのはそういった日常で得られる情報「以外」の話です。
先のMBさんのポッドキャストでも語られているのですが、モノというのはメッセージを発しているのです。



……あっちょっと待って!スピ的なアレではないので!



実際はモノが何かしら喋っているわけではなく、モノを見た人間がいろいろと脳内で考えてしまう、ということを指しております。それをわかりやすく言い換えた言葉ですね。
いつか使おうと思ったものをふと目にすると、イヤでも「ああ、これどこかで使わなきゃな…」と無意識に考えてしまう。
長く着ていない服を目にしたら「これもどこかで着なきゃな…」と考えてしまう。
これはモノから「使ってくれよ」というメッセージが発せられている、とも言えるわけです。


そしてこれはMBさんの話からですが。
使っていないモノだけでなく、使っているモノであってもメッセージが常に発せられているのです。


モノにはその形状自体に意味があるのですね。
例えばペットボトルはどれも似たような形をしていますが、デザイン設計者が「人間が持ちやすいように」いろいろ考えて現在のペットボトルの形になっている。そしてそれは我々ユーザーとしても認識している。
だからペットボトルが置いてあるだけで、「持ちたい」「中の飲料を飲みたい」という思考が無意識に働くのです。


で、引用部分の話に戻りましょう。
日々の膨大な情報に加えて、部屋の中にいても絶えずこのような「モノからのメッセージ」を受け取っていては、人間の脳は情報を処理しきれなくなって「固まって動けなくなってしまう」のですね。
そうすると「めんどくさく」なり、何事もやる気がなくなってしまう。
やりたい事があるはずなのに、それをやる事もできなくなってしまうのです。





落ち着いたから捨てられるのではなく、捨てるから、落ち着けるのだ。時間があるから捨てられるのではなく、捨てるから時間ができるようになる。
だから今すぐ捨てなければならない。捨てるのは今だ。捨てるのが最優先事項だ。

「ぼくたちに、もうモノは必要ない。 - 断捨離からミニマリストへ -」(佐々木 典士)

再度別の部分からの引用です。
すでに現在与えられている情報が過多なのだから、まずはそれを今すぐ減らすべきだろう。というお話をされています。


ワタシもそうですが、「整理整頓は時間ができたときに一気にやろう」、という感覚の方が多いのではないかなと。
しかしそれだといつまでも動けなくなりがちなのです。
まずはわかりやすいゴミ類から、少しずつ。まずは捨てることが最優先。
自分の生活を阻害する情報を減らしていきませんか。



このあたりの話を学んでいくと、以前読んだエッセンシャル思考(自分の人生を誰にも渡さないために。~「エッセンシャル思考」を読んで~)や、ストア哲学(何が「自分のもの」なのか? ~「自由を手に入れる方法」を読んで~)などともかなり通ずるんですよね。
「自分にとって必要なもののため、不要なものを排する」という考え方。
これらのお話はワクワクが大きかったので、少なくともワタシにとってはマッチした考え方なのだろうな、と捉えております。




まとめ

本日は「ぼくたちに、もうモノは必要ない。- 断捨離からミニマリストへ -」について語らせていただきました。


ちょっとした読み物程度の意識で読み始めましたが、この本一冊でこれほど行動に影響が出るとは正直思っておりませんでした。
こういうマインドセットを変えてくれる本を読んでいくのが本当の読書の価値なんだろうなと。
今回のお話を聞きに来られたアナタも、きっと片づけに対して何かしらの思いを持っておられるはず。面白い本なのは間違いないので、ぜひ一読してみてくださいませ。






さて…そろそろお時間です。
またのご面会、心よりお待ちしております。

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