アーティスト向けSNS「Cara」体験記。ネットの世界に現れたアーティストのサロン。

アイキャッチ 作業法・思考


こんばんは。
ピクセルアニメクリエイターのおかか容疑者でございます。


画像生成AIの台頭により、混迷を極めているアート界隈。
大手のSNSは自前でも生成AIの開発を進めていることからバリバリのAI推進派であるため、利用規約を変更して「このSNSに投稿されたデータはAIの学習に使用することがある」という文言を追加しております。



そんな中で「画像生成AIを認めない」SNSとして、昨今大きな話題を集めているのが「Cara」です。(日本語読みは「キャラ」でいいのかな?)

Cara - platform for artists, by artists. — Cara - Artist Social & Portfolio Platform
Cara is a new social media plus portfolio platform for artists.


もともと海外向け発信を始めたばかりのワタシ。これはベストマッチな機会なのでは?ということで、このSNSに突撃してみました。


というわけで、今回は「Cara体験記」と称しまして、実際に参加してみた感想を語ってまいりますね。





Caraについて

このCaraというSNS、ごく最近リリースしたサービス
………だと思っていたのですが、実際には2023年1月に開始していたとのことです。
現在は2024年6月ですので一年半くらいは続いていたのですね。




この記事からお判りの通り、ここ最近になって急激にユーザー数がドンと増えた、というSNSなのですな。
最近の話ですとユーザー数は90万人は突破しているそうです。
Excellent!……なのですが、これによりサーバーの費用が凄まじい額になってしまっておるようで。
余裕があればコーヒーをおごってあげましょう。(「コーヒーをおごる」という名目で寄付を募るユニークなサービスがあるのですね。ワタシも少額ながらおごっておきました。)





どのようなSNSなのか?というのは上記の通りです。
(Cara – platform for artists, by artists. — Cara – Artist Social & Portfolio Platform より、日本語翻訳した文章を掲載しております。)


・クリエイター、アーティスト向けのSNS。
・画像生成AIの作品は投稿できない。
・AI学習拒否機能「Glaze」によりアーティストの作品を保護してくれる。



ざっとこんな感じでしょうか。




様々な企業からも協力を得ているとのことで、あの小島プロダクションやフロム、マーベルなどの有名な企業とも連携をしているようです。
「Jobs」の欄から求人情報なんかも見られるのですが、いろんな企業がガチで募集をかけているのが見られます。アナタに適した求人もあるかもしれません。
そして良い作品を投稿し続けていたら、ひょっとしてひょっとしたらお声がかかる事もあるかもしれませんな。





実際どんな感じ?

事の始まりは「Threads」から。
ワタシはこのThreadsのアカウントが完全に遊んでいる状態でしたので、コチラを海外向け発信用として運用することにしました。

ですので作品投稿や日常のつぶやきをしつつ、ちょいちょい見ていたのですが。


「Caraは連日すごく反応が多い!」
「Caraには前向きな人たちがいっぱいいる!」



という投稿がいろんな方から流れてきておりまして。



あれ?海外向け発信こっちでやればよくね??

と思えてきましたのでレッツダイブ!!してみたわけです。




これで毎日通知の山に埋もれて大変なことになってしまう!!
どうしよう!毎日返信してられないよ!!
もう実際会ってお話ししていった方が早いのでは?
いっそもう先に海外住むか??



などと考えておりましたが。



言ってしまいますと全然そんな事ぁないです。
世の中そんな甘くないです。
(「連日通知がたくさん来る」と言っていた方はおそらく元から強者です。)




考え直してみますと、今まで使っていたSNS(「X」「Threads」など)とは大きな相違点がございまして。
それが先ほども述べました「クリエイター・アーティスト特化のSNS」だという点です。


普通のSNSであればいろいろな方が参加しております。
特にモノづくりをしていない方もたくさんいます。
つまり、相対的に見ると何かを創る「クリエイター」という立場はマイノリティなのですよね。
ですので、タイムラインにイラストだったりが流れてくると少々特別な感じがするのです。


ですがCaraにはそれがありません。
だってみんなクリエイターなのが前提だから。何も特別感がないのです。
(その中でも当然ながらフォロワーやいいね数が非常に多い方がいますが、大抵はCaraを始める以前から何かしらで有名になっている方ばかりです。)


ではどうやって作品を見てもらうのか?というところですが、残念ながらワタシも全然フォロワーがいませんので、良い方法が断言できるわけではございません。
ですがCaraの中で活動しているうちに、何となくのヒントは見えてきました。
それが「交流」です。



印象に残っているCara内での投稿文として、「ただ作品を投稿しているだけではダメ。コミュニティに積極的に参加してこそ、コミュニティも受け入れてくれるよ」という旨の文章がありました。

そうなのです。
他のSNSでもそういう面はあると思いますが、Caraは特に「自分たちでコミュニティを創り上げる」という意識が強いのではないかなと。
自主的に行動していかないとロクに反応が得られない場所だな、というのは痛感しております。(もちろんワタシの作品の質にも問題があるのかなとは思いますが…。)



ワタシのイメージとして、まさに現代版の「サロン」ではないかな、と思っております。
アーティストが集い、各々の作品を見せ合って、良さを理解してくれる人に褒められる。そのようなイメージ。


…などと言うと何か厳かな雰囲気になってしまいますが、言うてSNSでございますので、そんなに畏まる必要もございません。

何より、Caraで見かけるアドバイスでもよく言われております。
「この場所をただ楽しめ!」と。




活動として何をすべき?

とはいえ、投稿以外に何をしたらええねん、というお話もございましょう。

重ねて申しますが、ワタシも暗中模索の日々でございまして。これといった助言もできる身ではございません。
が、一応現在参加中の身として、少しながらどう活動しているかを自分のためにもお話ししておきますね。



まず大前提と言ってよいと思いますが、「ホーム」のタイムラインはほぼ見なくてよいかと。

最初のうちは特に「ホーム」ではバズっている投稿がどんどん表示されます。
もちろん素晴らしい作品が多く、本当に好きな絵を描かれている方はフォローしていくとよいでしょう。
ですが、そういった方のプロフィールを見れば既にフォロワーが何万人もいることがほとんど。
コチラから反応をしても向こうからの反応はまず期待できないと思ってよいでしょう。
(悪い意味ではなく、単純にプロとして忙しい方が多いだろうと考えています。)


で。最近はとにかく「検索」をしております。
Caraは何度もお話ししている通り、クリエイターが非常に多い。
ですので投稿作品数もむちゃくちゃ多い。
なので、とにかく自分の好きなワードでいろいろ検索をかけてみましょう。
ニッチなワードでもそれなりに検索数としてはヒットするのではないかと思います。

自分の好きな要素で検索しているのだから、自分にマッチする作品も結構出てくることでしょう。
その中で「これ良いな」と思う作品にいいね・RP・リプライ・フォローをしていくのがよいのかなと。
波長の合う相手であれば、こちらの情報も見てアクションを返してくれる可能性があります。



これもまたCaraを見ていてわかってきたことなのですが、「フォロー数やいいね数を稼ぐために動く」という発想は捨てた方がよいですね。
そもそも何万人もフォロワーが欲しい!ということであれば、単純に人数の多いXやInstagramで活動した方がわかりやすいでしょう。
ここではそういう目的より、「自分の好きな作品で埋め尽くされたタイムラインを作りたい!」くらいの考え方で、本当に好きな人だけフォローしていく。そして見返りは求めない。
というスタンスがおそらくベターなのだと思えております。


参加していてかなり感じるのですが、「フォローに対してのフォロバ(フォローしてくれる)」という行為が基本的にないです。これまでのSNSとだいぶ感覚が違うので最初は違和感がありましたが、「そういう場所なのだな」と理解できてきました。
逆にいきなり全然知らないアカウントからフォローが飛んできたりもします。
でもよく考えたらこの方が健全なのでは?とも思えますね。



あと最近は「オープントーク」という欄も見てみております。
どういう基準なのかはよくわかりませんが、ホットな投稿みたいな感じなのかな?いろんな人がリプライをしている投稿がピックアップされております。
ここで意見を見て自分も何かしら投稿してみたり、他の方の意見にリプライしてみる。というのも一つのコミュニティへの参加だろうと。

話題は当然ながらアート関係のものが多いですね。あとはCara自体(SNS全体的なものも含めて)の話題だったり、詐欺師への注意喚起だったり。
こういった考え方やノウハウなどを意見交換できますので、ここは単純にアーティストの作品を探すだけの場所ではないなと把握できてきました。
見ていると作品投稿よりもこうした交流を中心にしている方もおられて、これはこれで面白いものですね。





その他

テキストだけの投稿はできるの?

全然OKです。


Caraの素晴らしいところは、自分の投稿を「Timeline(タイムライン)」と「Portfolio(ポートフォリオ)」とに分けられるところなのです。そんな素晴らしいポイントが丸々抜けていたため、この話を投稿した夜にこうして追記しているのですが。


ざっと説明しておきますと、「Timeline」は他の一般的なSNSと同じような投稿です。テキストや画像などを投稿できます。
「Portfolio」はその投稿の中で「これを自分の作品として他の人にも見てもらいたい!」というものを選抜しておける場所。
というイメージでしょうか。





具体的にお話ししましょう。
まずはテキストのみの投稿。コチラは普通に文章を書いて「Post」すればOKです。
「Timeline」に投稿が追加されます。



続いて画像を投稿する場合。
画像をドラッグして持ってくるか、左下の写真アイコンを押して画像を選ぶと画像を貼り付けられます。そのまま本文を書いて「Post」で「Timeline」への投稿となります。
これもさほど迷う部分はないでしょう。
ちなみに下に四角形でトリミングするかのような枠が表示されておりますが、これはサムネイル画像を選ぶだけ(サムネイル画像が正方形となっている)ですので、投稿画像は正方形でなくても大丈夫です。



ここで上画像の赤い四角の部分にある「Add to Portfolio」を押すと……




下に項目がいろいろと増えました。


ざっと上から順番にお話しすると、「タイトル」「どういう分野の作品か」「商業作品かどうか」「カテゴリー」「使ったソフト」というものを入力または選択できます。
コチラを入力して「Post」することで、「Timeline」と「Portfolio」の両方に投稿することができます。





ちなみに「Timelineへの投稿」であれば、写真アイコンから画像を選んでいく事で複数枚の画像をいっぺんに投稿も可能です。
※Portfolioは一枚ずつとなります。


ついでにお話ししておきますと、「Timeline」と「Portfolio」は自分のプロフィール画面から見ることができます。



自分の紹介分の下にいろいろとタブが並んでおります。
ここの「Timeline」を押すことで、自分のタイムラインを見ることができます。
右側に「Media」として最近投稿した画像も出ておりますね。他のSNSでもこのような機能がございますな。




「Portfolio」を押すとこんな感じ。
Portfolio設定した作品のみがバァーっと表示される形となっております。
ですので日常的な写真などを投稿したいと思った場合も「Portfolio」に加えずに投稿していくことで、作品群を綺麗に残したまま使っていくことができるわけですね。


あと、投稿は画像の他にgifアニメーションの投稿も可能です。
また、写真アイコンの横にある矢印のアイコンを押してからYoutubeやSketchfabのURLを入力することで、それらの動画やモデルなどともリンクさせることができるようです。ワタシはまだ使ったことがないのですが、こういう形での投稿もよさそうですね。




NSFWについて

最初に軽くだけ。
NSFWとは「Not Safe for Work」の略。ノットセーフフォアワーク。「職場では見られないよ」という意味合いの言葉ですね。
ざっくり言うとエロ・グロの類ですな。



先に申しておきますが、海外のNSFWに対する認識は日本人のそれとはかなり異なります。
NSFWの詳細な話は、BlueSky向けの記事ですがコチラのお話がかなりわかりやすく感じたので、気になりましたらご一読を。

【Bluesky】イラストを投稿する前に必ず読む資料(2024年2月19日版)|大葉さん

結論から申しますと、現在のCaraはNSFWは禁止です。
ですのでえっちな絵の得意な方には厳しいSNSだとは思います。


NSFWに関する海外の基準って正直把握し難いんですよね。
だけど何となくの基準を知りたい、という場合。
ワタシも参加する前に一度見てみたのですが、Cara内を「NSFW」で検索してみるのは一案かと。
それなりにそれなりな作品が出てくるかと思いますので、「こういう感じなら大丈夫か?」というラインを探る手掛かりにはなるかなと思います。
(もちろん運営側が見逃したりしているだけかもしれませんので、過信はしない方がよいでしょうけどね。)




ちなみにCaraのNSFWについての見解(Frequently Asked Questions — Cara – Artist Social & Portfolio Platformを日本語翻訳しています)はこんな感じ。
というわけで将来的にはNSFWコンテンツも取り扱う可能性がある、とのことです。
乞うご期待!!





日本語で使える?

全部英語です。アプリの翻訳機能もないです。
がんばりましょう!!


…とはいえ、ブラウザから見た上で翻訳ソフトを組み合わせれば全然どうにでもなります。
アプリ版ですとテキストの選択ができないんですよね。なのでテキストをコピーして翻訳ソフトに移す、という行為自体ができません。
英語のできないジャパニーズはおとなしくブラウザで見ましょう!!!




まとめ

本日は新SNS「Cara」についてのお話しをいたしました。

だいぶアレコレ語っていたらそれなりの長さになってしまいましたね。これが最近Caraを使いだした者の率直な感想となります。
結構異質な感じもありますが、真面目にアートに向き合っている方が多いなというのはすごく感じますし、クリエイターとしてのモチベーションを上げるにも良い場所ではないか。という点は本当に思います。


アカウントも貼っておきますのでよかったらみてみてね。
Okaka-Suspect (@okaka) | Cara – Artist Social & Portfolio Platform






さて…そろそろお時間です。
またのご面会、心よりお待ちしております。

この記事がお気に召したなら、

ギャラリーからワタシの作品を見ていただいたり、

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Caraアカウント
X(旧Twitter)アカウント(低浮上)(@daidaimyou)

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