他者評価と自己評価。~「他人に振り回されない自信の作り方」を読んで~

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こんばんは。
ピクセルアニメクリエイターのおかか容疑者でございます。


以前のお話でもたびたびお名前を出させていただいている、明治大学教授の斎藤孝先生。
「声に出して読みたい日本語」で有名なお方ですね。

先生の本は何冊か拝読しておるわけですが、ここ最近はあえて様々な著者の方を知るために読書していることもあって、先生の著書からはしばらく遠ざかっておりました。



ここいらで一発、キメとくか!斎藤本!!!






どうせなら元気をもらえそうな本がいいな。
というわけで読んでみたのがこの一冊。
本日は斎藤孝先生の「他人に振り回されない自信の作り方」のご紹介をいたします。





全体の感想

タイトルからおわかりでしょうが、この本は斎藤先生なりの「自信のつけ方」について語られている本となります。
「ああ~そういうのって何かいっぱい出てるよね」とお思いでしょうけども、コチラは日本文化などにも精通している先生独自の視点も多分に含まれており、同系統の本と比べて少々毛色の異なる印象がありました。


昨今は「褒めて伸ばす」ということがよく主張されますが、それだけでは本当の自信はつかないのではないか?といったお話や、「知好楽」による自分の強みの活かし方、自分の意識はどこに向けておくべきか?など、参考にすべき教訓がいっぱい詰まっております。
ついでに学生時代の黒歴史まで語っておられまして、「これほどの方でも若い頃はこうだったんだなぁ~!」という親近感も増しますね。


また先生は運動や体の重要性に非常に着眼しており、昔の日本人が持っていた「肚(はら)の感覚」を取り戻そう、という力強い主張もございまして。
地に根を張ったような生き方、ワタシも実践してみたいなと思わされます。


読んでいてわかりやすい上に元気も出てくる。今回も間違いなく勧められる爽快な一冊ですね。





注目ポイント

では今回の注目ポイント。
「第4章・自分を支える心の味方を作る」からの引用です。



何をもって乗り越えたと言えるのか──、この感覚は本人にしかわかりません。
どんなに人から「すごい、すごい」と賞賛されても、本人は納得できていないこともあります。逆に、人はそれほど評価してくれなくても、本人はやり遂げた感、乗り越えた感を充分に味わっていることもあります。
他人から与えてもらった賞賛や評価は、自信をつけていくための心の支えにはなりますが、自分の心の芯にはなり得ません。心の中に「超えた!」という実感が湧き起こったとき、それは自分の心の芯になるような自信がついたときなのです。

他人に振り回されない自信の作り方(斎藤孝)

現代はSNSの全盛期。
様々な場所で「いいね」が飛び交っており、他者からの評価を受けやすい環境ができてきております。


この「他者評価の数値化」という発明は非常に強力な力を持っております。良い方向にも、悪い方向にも。
人の評価というものは本来数値で計ることはできません。しかしこうした形で疑似的に数値化することで、あくまで疑似的にですが自分と他人の比較が容易にできてしまう。
そして、ともすればこの「いいね」の数によって自分の評価を決めてしまう。
こういった事は誰しも起こりうる話です(ワタシも長く囚われてきた問題です。今も完全に抜け出してはいませんが)。


そんな世の中だからこそ、「自己評価」というのはより一層重要なファクターとなってくるわけです。
他者評価を蔑ろにしていいという話ではございません。他者評価も一応の参考にはできるけれども、それと同じくらいに自分自身で自分のしたことをきちんと評価していきましょうよ、というお話ですね。
先の引用文を読み直してみますとまさにこの事が文章化されております。


他者から見てすごく評価されている人でも「いやぁまだまだです」とおっしゃる事がしばしばあります。
これは謙遜も含まれてはいるのでしょうけれども、その人にはおそらく目標とする人や作品などが存在しているのではないかと。
自分の目標地点はそこなのだ。あくまでそこと比較して、「まだまだ辿り着けてはいません」という意味合いでそうおっしゃっている事が多いのではないか。と考えられますよね。


そしてとりわけ重要なのが「人はそれほど評価してくれなくても、本人はやり遂げた感、乗り越えた感を充分に味わっていることもあります。」の部分なのではないかと。
作品を見せても思ったより反応がなかった。「しかしそれはそれとして、」自分なりに一生懸命に頑張って取り組んだ。
この2つの事象って全然別なんですよね。


ワタシ個人の話ですが、時間をかけて頑張って作った作品というのは、見るたびにその頃の作業風景なんかを思い出すことがたびたびございます。
これは間違いなく次に進んでいく糧になりますね。
「自分で実際に取り組んでこれだけの物を作れた」というのは、たとえ自分にしかわからなくても、嘘偽りのない動かせない事実なのですから。

この感覚を斎藤先生は「超えた!という実感」として記されているのかなと。
そしてこれを得るためには地道に地道に自分の定めた目標に取り組むしかないんじゃないかな、と思います。





まとめ

本日は「他人に振り回されない自信の作り方」についてお話しいたしました。

今回は評価に関する部分のみにフォーカスしてのお話ですが、先にお話ししました通り様々な教訓を得られるであろう良書でございます。
この本に限らず斎藤先生の本は読みやすく面白いものが多いので、是非に一読をば。





さて…そろそろお時間です。
またのご面会、心よりお待ちしております。

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