こんばんは。
ピクセルアニメクリエイターのおかか容疑者でございます。
ドット絵と言えばレトロゲーム。
今でこそ「Pixel Art」として一つの画風を確立しておりますドット絵ですが、「ゲーム機に使われていたカクカクとした絵」という印象が強い方も多いのではないかと思われます。
日本ですとアーケードでは「スペースインベーダー」あたりが走りでしょうか。そして家庭用ゲーム機として爆発的に普及した「ファミコン」のグラフィックとしてのイメージが強いかなと。
ワタシは正直そのあたりの生まれではございませんので、国内の家庭用ゲーム機について知ったのも割と最近のこと。
スーパーファミコンあたりからはリアルタイム世代ですのである程度把握しておりますが、セガマークⅢなんかは全く見たことないんですよね。かろうじてPCエンジンを友人宅で触ったことがあるくらい。
当然、海外の事情なぞは全く知らなかったわけです。
そんな中、ふとドット絵ソフト「Aseprite」のカラーパレットのプリセットを眺めておりましたところ。
なにこれ?
AsepriteのカラーパレットはNES(ファミコンですね)やゲームボーイなど様々なゲーム機のカラーを模したカラーパレットがたくさん存在しているのですが、よくわからないものも点在しておるのですよね。
知らなくても問題はなさそうですが、どうにも気になってしまい、これら「Commodore64」「ZX Spectrum」についてちょっと調べてみました。
するとそこには驚愕の事実が……!?
Commodore64(コモドール64)とは
というわけで、最初に写真上にある「Commodore64」からお話しいたしましょうか。
コチラ、だいたいファミコンが登場したのと同じくらいの時期に発売されていた家庭用ゲーム機なのです。欧米で広く普及し人気を得ていたとのこと。
コモドール64 – Wikipedia より。
詳細はコチラのWikipediaをご覧いただくのが早いですね。(投げやり)
先のカラーパレットをご覧いただけるとわかるかと思いますが、コモドール64で使用できる色は白・黒を含めて16色となっております。
「ファミコンは使える色数が少ない」と認識されておられるかもしれませんが、ファミコンで使える色自体は52色ございます(似た色もちょっとあるので、人の認識としてはもう少し減るかなという感じ)。コモドール64の3倍以上あるんですね。
ちなみにセガマーク3は64色使えるとのこと。後発になるほど性能が上がってるんだなあ、ということを実感させられる部分ですな。
で。
「ああ、海外のレトロなゲーム機なんだな」で終わるかと思いきや。
なんとこのコモドール64、現代においてもファンが多いようでして。少々前(2019年12月)になりますが復刻版が販売されたとのことです。
人気のほどが窺えますね。
伝説の8ビットホビーパソコン、コモドール64の復刻版「THE C64 MINI」購入レビュー | FRONTL1NE (フロントライン)
↑復刻版について写真付きで詳細なレビューをなされているブログがございましたのでご紹介。
ソフトは入手せずとも内蔵されているからこれだけで十分遊べるようですね。さすがにソフト入手までとなるとハードル高いので、しっかりと配慮なされておりますな。
で。
現代にて復刻してるのもスゴイなと思ったのですが。
ワタシが一番度肝を抜かされた、今回ご紹介したい動画がコチラなのです。
なんじゃこりゃあ……
と、ワタシが絶句したのは想像に難くないでしょう。
コモドール64の熱心なファンがこのようなデモ作品を作られておるようです。2014年の動画らしいのですが、そんなに以前からこんな凄まじい作品が作られていたとは。
8bitの音楽とハイクオリティすぎる映像で、惹きつけられずにはいられない…!
そして先の動画をYouTubeで探し直していたら、直近の2023年にもまたやばいデモ作品が公開されておりました。
職人さん すごすぎる……。
どえらい動画を載せたあとに掲載するのも何ですが、ワタシも僅かながらコモドール64スタイルに挑戦してみました。
先の動画などでコモドール64の作品をご覧いただくとおわかりだと思いますが、コモドール64の特徴として「1ドットが横長(2×1)になる」という点がございます。
Asepriteの場合、キャンバスを新規作成する際に「Advanced Option」にチェックを入れ、「ピクセルのアスペクト比」を「ダブルワイド」にしてやると、このコモドール64に合ったキャンバスを作ることができます。
(制作中のキャンバスでも、「スプライト」→「プロパティ」を選ぶことで同様にアスペクト比設定ができます。)
実際に挑戦してみるとわかるのですが。
先に申した通りコモドール64で使用できる色は数が限られているものの、色味が彩度低めで抑えられているものが多く、いい感じに落ち着いた作品が作りやすいですね。
普段通りの描き方でやってみましたが、それでも雰囲気がいい感じになってくれます。
なのでダブルワイドにしなくとも、カラーパレットで色だけでも使ってみて描いてみるのはかなりイイと思いますよ!
ZX Spectrum(ゼットエックススペクトラム)とは
ではもう一つ、「ZX Spectrum」についてもお話ししましょうか。
コモドール64は欧米で普及しましたが、コチラはイギリスで人気のあったゲーム機とのことです。
ZX Spectrum – Wikipedia より。
コモドール64もそうですけど、この時代のゲーム機にはキーボードがゲーム機本体についているのがデフォなんでしょうかね。
「ぼくはコンピューターです!!」という主張がすごくわかりやすいですな。
日本のゲーム機しか知らないとなかなか新鮮です。
…と思いきや、昨年の2023年にもキーボード付きのゲーム機というものが普通に登場しておるようで。
ある意味先祖返りとも言えましょうか。
キーボード付き携帯ゲーム機“AYANEO SLIDE”が発表。銅管冷却システムや高圧ターボファンで効率的に放熱し、快適なゲーム体験を提供【TGS2023】 | ゲーム・エンタメ最新情報のファミ通.com
閑話休題。
ZXスペクトラムのグラフィックのお話ですが、コチラは15色使用可能となっております。
「お、コモドール64が16色使えるんだからどっこいどっこいの性能なんだね」
って思うじゃん?
もう一度カラーパレットを見てみましょう。
ZXスペクトラムのパレットは左半分と右半分、色の質(色相)自体は同じで、単に色が暗いか明るいかの違いしかないことがおわかりでしょうか。
確かに違う色なのですが、色のパターンとしては「7色 × 2 + 黒色(黒は変化しない)」と言った方が正しいわけです。
ついでにその色も原色バリバリで、言い方はアレですがだいぶドギツイ絵になりやすいです。
ZXスペクトラムのゲームを紹介するYouTube動画を貼らせていただきますが、このように視覚的インパクトの強烈な画面が登場することとなります。
好き嫌いがかなり分かれそうですが、ワタシ個人としては非常に好き。
さらにコヤツには「8×8ピクセルの範囲内には2色まで」という制限もついております。
色の使い方の制限自体は他のゲーム機でもだいたい何かしらついておるもので、これ自体は特筆すべきことではございません。
多くのものは「背景(バックグラウンド)」と「キャラクター(スプライト)」でそれぞれこれだけ使えるよ、という制限のものが多いですね。
しかしZXスペクトラムは格が違った。
背景もキャラクターもお構いなしに「この範囲(8×8)は2色だけにしてね!」という仕様となっております。
上の動画よりキャラクター絵を貼らせていただきます。
こんな感じで、スペースインベーダーよろしく上から色付きセロハンテープを貼っている感じになるわけですね。
この独特のグラフィックに惹かれた方はイギリス国内だけでなくそれなりにおられるようで、ZXスペクトラムの仕様に則ったイラストを描くサイト「ZX-Art」というものも存在しております。
コチラではZXスペクトラムでの音楽も投稿されているようですね。
ZX Spectrum games, graphics and music – ZX-Art
奇天烈な作品が並んでいるのかと思いきや(失礼)、アート作品としてむちゃくちゃ綺麗なイラストも作られております。これぞ職人!と唸るばかりですね。
何点かリンクを貼らせていただきます。一度覗いてみるとよい刺激が得られるのではないかと。
(とりわけ一番目の作品の作者diverさんなどは本当すごい。この「Angel Wings」という作品は非常に印象に残っておりますのでこの機に是非に紹介をしたかった。)
このようなコミュニティができているZXスペクトラム。
令和の現在においても愛好家が多く存在しているというのは実に素敵なことですね。
これだけでもなかなかに驚くべきことだと思いますが、実はさらに凄まじいことも判明してきまして。
2つYouTube動画を貼らせていただきましたが、動画のタイトルからお察しいただけますように、これらの作品はごく最近制作されたものです(2021年・2023年)。
「えらいクオリティが高いな。野生のプロが趣味で個人製作してるのかな」と思っていたのですが……
なんとこの時代にZXスペクトラムのゲームを開発している会社があるのです。
それが「ZOSYA entertainment」。
※2024年5月現在、トップページに「ZOSYA IS CLOSED DOWN」の文字がございますので、残念ながら終了してしまったのかもしれません。
Infoのページによるとロシア国内だけでの販売とのことで、日本で遊ぶのは難しそうですね。(そもそも実機が必要になると思われますが…)
しかしどのようなゲームなのかは先の動画を見て知ることができるので、現代の技術発展に感謝感謝でありますなぁ。
こちらの2作品はキャラクターの周りに黒い四角形が見られるので、きっちり背景とキャラクターを分けて作っているのかな?
それでもこのしんどい縛りの中でクオリティが半端ない。
需要は相当ニッチだと思われますが、それでも会社を興してまでZXスペクトラムのゲームを開発しているグループがあるのだ、という事実は非常に(もちろんいい意味で)ショッキングでした。
まとめ
今回は海外のレトロゲーム機について語らせていただきました。
語ったというより、ワタシが知らなさ過ぎて調べてみた結果を連ねてみただけですが……。
キッカケがドット絵ソフトの機能からだったわけですが、ひょんなところから面白い発見をする機会というものはあるものですね。
日本のファミコンなどと同様の存在が世界各地にはあったんだ、という認識を新たにすることができました。
そして今回ご紹介したどちらのドット絵グラフィックも非常に特徴的で刺激的。コモドール64スタイルで作った時もかなり楽しく制作することができたのもあり、ワタシの今後の活動でも何かしらの要素が取り入れていけたらいいなぁとも思います。
(ZXスペクトラム式でアニメーション作ろうとも思ったんですが、さすがに難度が高かった…)
さて…そろそろお時間です。
またのご面会、心よりお待ちしております。
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