「多様性の包摂」のために。~「Web3とメタバースは人間を自由にするか」を読んで~

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こんばんは。
ピクセルアニメクリエイターのおかか容疑者でございます。


これまでも何度か読書のススメをしておりますワタシですが、そういう人間が実際の本について感想を発信していないのはいかがなものか。ということは常々思っておりまして。
Xでは以前は一言感想は書いておりましたが、せっかくだからちゃんと一冊分を一記事としてコチラでもお話ししていきたいなと。
というわけで、今回から不定期に読書記録を話していくことにしました。

ただ、読後の大まかな感想を述べるだけでは少々面白みがない。
ということでワタシが特に気になった部分を引用し、その部分を元に少しばかり語らせてもらう。というスタンスを取りたいなと思います。
今後このあたりはいろいろ変わると思いますが、まずはこの流れでやっていきたいです。



というわけで記念すべき第一回。
ご紹介したい本はコチラです。




佐々木俊尚さんの「Web3とメタバースは人間を自由にするか」でございます。


佐々木さんはジャーナリストとして長らく活動なされた後、退職してフリーランスに。現在は幅広い話題を取り扱うライター業を中心に活動なされている方です。
Voicyのチャンネル「毎朝の思考」では、テクノロジーやジャーナリスト、登山、料理(料理話のときが一番楽しそう)などの話を中心に毎日お話をされております。朴訥な語り口が非常に落ち着きますのでとてもオススメ。




全体の感想

この本はタイトルの通り、「Web3」「メタバース」などの新しい技術について語っている本です。
2024年現在ですと少し前に話題になっていた、という感じでしょうか?
正直なところ理解できている人が少ない技術であり、それゆえにどこか怪しいイメージを持ってしまうもの。その点は著者も指摘しておりまして、いわゆる山師が集まってきて儲け話にしようとしているということもお話されております。(とはいえこの山師のような存在も、一般層への普及には一役買うので否定だけしていてはいけない、とのこと)


この本ではこれらの技術の素晴らしさを語るというより、これらを上手く使えればこういう未来が待っているんじゃないか?という未来像を提示している本。という方がマッチしそうです。

よりリアルな災害対策。「推し活」による経済活動。誰でもどこでもドアが使える。
読み進めていくと未来に希望が広がっていく気持ちにさせられます。


新しい技術はよくわからない、と他人事のようについ捉えてしまいがちですが、少し自分事として見られるようになる。
そして、これらの技術がこの本で示されているように、よりよい未来を創るための方向に進んでいってほしいな。
そう思える本でした。




注目ポイント

今回の注目ポイントはコチラ。
第二章・「ここには管理職を置かないとダメだ」より抜粋いたします。


そもそも「多様性」というのは、いま現在は「できなさそうな人」「無能な人」に見えてしまう人でも、どこかで何らかの役割を発揮して、ひょっとしたら社会を救うかもしれないという可能性を考え、あらゆる多様な人を包摂しておこうというものである。
ビジネスジャングルで生き抜ける人、クリエイティブな人だけを重用し、その人たちだけが能力を発揮できるようにするというのは、社会にとっては健全ではない。そのバランスを調整するのが企業においては管理職の仕事であり、社会においては政治なのである。

「Web3とメタバースは人間を自由にするか」より

世の中いろんな人がいます。
能力が高い人・そうでもない人。仕事に対してやる気のある人・ない人。
では、ここで言う「できなさそうな人」は切り捨ててもいいのか?というお話ですね。



もしもこの本のような未来が実現していくのだとしたら、これからの時代はどんどん生活にお金がかからず、また何かをしたい場合、場所の制約もなくなっていく世界になっていくのだと思われます。非常に喜ばしい話ですね。
反面、これらの要素は「できない言い訳」に使われることが多いものです。
「お金がないから…」「行きたいけど遠いから…」というのは誰だって使ったことがある、やらない理由の最たるものでしょう。ワタシもよく使ってしまいます。


今後の世界はこれらの「できない言い訳」がさらに減っていく世界でもある。
そうなった場合、「能動的にやっていく人」がどんどん強くなる世界に変わっていくことになるでしょう。
つまり、その世界の中で「環境的にはできるけどやらない人」になってしまったら、さらに周りと差がついてしまう世の中になっていくんじゃないかなと。


実際問題、現在の世界を見てみても、昔は簡単にはできなかったことが今は無料・安価で経験することができるようになっていたりします。
ワタシがやっているイラスト(ドット絵)も、わざわざ画材を集めずともデジタルで無料ソフトで始められますし、ゲーム開発も無料でできます。自分で言うのも何ですが、この辺りの分野においては未経験の方と比べれば明らかに差ができている、ということはご理解いただけるでしょう。
こういったことがますます拡大していく世界になっていきそうです。


なので、これからの世界は興味を持ったことにとにかくチャレンジしていく。
そして「自分はこういう事は向いてないけど、これは向いている」という自己理解を深め、「多様性」の輪の中に何らかの形で入れるようにする、という行動が大事になってくるのではないでしょうか。


人間、何らかの才能は持っているはずです。ですのでどんな人でも爪弾きにされてはいけない。
ただ、それを見つける努力(行動)もせずにあれもイヤ、これもイヤとだけ言っていたら、周りの人がどんどん遠ざかっていっても仕方ない。
幸いいろんな事を始めるハードルがどんどん下がっていくので、いろいろやっていく中から自分のアピールできるポイントを一つでもいいから持っておく。
これからの世界ではこの意識が大事になるのではないかと思えました。




あと、このポイントからは少々外れるかもしれませんが。
テクノロジーの発展により努力しなくてもそれなりにいい生活ができる(ベーシックインカムなどですね)なら、最初から勝ち組を目指さないという人も結構増えるのでは。とも思いました。
こうなっていったら「競争意識からの脱却を果たせる」とも言えそうです。


競争意識は「他人との比較」という考え方がどうしても前面に出てしまいます。
どんな界隈だろうと自分より優れている人というのがいるもので、他人との比較を続けていると不幸な考え方になりやすい。ですので、競争意識から抜け出すことで「比較」という意識が減るのならそれはいいことかもしれない、と。


しかし競争は発展にもつながるものです。
もし今後、競争意識というものを持たずに生活できるようになったとしたら、技術的な要素などが発展しづらくなるのかもしれないな。とも同時に思います。
昨今は驚異的なスピードで技術の進歩が進んでいるので、どうしても恐怖を感じてしまう部分はありますがね。発展が完全に止まってしまうのもイヤなので、人々に少しずつ受け入れられながら進歩できれば一番理想なのですが。
「大衆の意識に合わせていたら発展が滞ってしまう」という意見もございましょうから、この辺は何とも言えませんな。




まとめ

と、こんな感じで思ったことをぶちまけていこうかなと。

ワタシ個人としては「ドット絵(アニメーション・ゲーム開発含む)」と「読書」を両輪として当ブログを語っていきたいなと考えておりますので、どちらもバランスよくコンテンツを増やしていきたいところですね。
読書記録であればネタも尽きることはありませんので、面白かった本はこのように一冊一冊ピックアップしてご紹介していきたいと思っております。よしなに。





さて…そろそろお時間です。
またのご面会、心よりお待ちしております。

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