ドット絵アニメーションを手軽に作れる。「ドットピクト」のアニメーション作成を体験しながらご紹介。

アイキャッチ画像 ドット絵


こんばんは。
ピクセルアニメクリエイターのおかか容疑者でございます。


スマホアプリ「dotpict(ドットピクト)」はアニメーションを作成することもできるようになっております。
ワタシの使っていた昔は存在しなかった機能。なので使ったことがなかったのですが。

ドット絵アニメーター名乗るんならいっぺんやってみんかい!

という欲が湧いてきましたので、ドットピクトのアニメーション機能、初挑戦してみました。



とはいえ、機能自体は他のソフトとそんなに変わりません。解説を交えながら、サンプルアニメを作る工程を語ってまいりましょう。


本当にスマホアプリでアニメーションなんて作れるの?


という疑問をお持ちの方。

大丈夫です、作れます。



まあ、詳しくはこの先のお話をお聞きください。

アニメーション作成の準備

まずはイラスト作成のときと同じく、「新規作成」からスタートしましょう。



イラストの場合は「キャンバス」を選びますが、今回は「アニメーション」を選びましょう。
サイズやカラーパレットはイラストと同様、好きなものを選んで構いません。

今回はサンプルとして32×32、(アニメーション初挑戦なので)「はじめてのパレット」にしました。


タイムラインが追加されている

イラスト作成のときと同じような画面が出てきます。
ですがアニメーションの場合は「タイムライン」という項目が増えております。


タイムライン画面

「タイムライン」をタップするとこのようなウインドウが。
これがアニメーションとレイヤーを管理するウインドウとなっております。
縦がレイヤー、横がフレームを表しています。


「フレーム」とは、実際にアニメーションが流れていく「コマ」です。
アニメーションが再生されると、1フレーム目の絵から順番に最後のフレームの絵までが順々に表示されていきます。
アニメーションとは要は「パラパラ漫画」なので、一定の時間で絵が切り替わってるだけなんですね。


「レイヤーって何?」という方は、前回記事「【2022年】新しくなったドットピクトの使い方。多彩な機能を使いこなそう。」をご覧ください。

レイヤーを増やす1

イラストのときのようにレイヤーを増やしたい場合は、左にある方の「1」をタップします。
すると「上(下)に追加」というウインドウが出てきます。

「上に追加」を押すと……


レイヤーを増やす2

このようにレイヤーを増やすことができます。



フレームを増やす1

同様にフレームも増やしてみましょう。
下の方にある「1」をタップすることで「左(右)に追加」「コピー」というウインドウが出ます。

「右に追加」を押すことで……

フレームを増やす2

次のフレームが出てきました。
フレームを増やせば増やすほど、より動きのあるアニメーションが作れます。



ワタシはいっぱいレイヤーを作っておきたい人間ですので、とりあえずレイヤーをバンバン増やしておきましょうか。




レイヤー限界を越えるとドットピクトプレミアムのお知らせ


* おおっと *


どうやら「ドットピクトプレミアム」という有料サービスがあるのですね。
割と真面目に知りませんでした…… すまぬ、ドッピク………。


で、プレミアム会員になることでアニメーションの方だと10枚までレイヤーを増やせるようです。


プレミアム

ちなみに「設定」のウインドウからプレミアム会員の登録ができるようですね。
2022/12/14現在は月額550円とのこと。



無料だとレイヤー最大でここまで

というわけで、無料版だとレイヤーの上限数は5枚でございます。

セル上限というのが「100」となっており、レイヤー5枚だとフレームは20まで作ることが可能。
レイヤー数が少ないほどフレーム数を増やせる、という形式になっているのですね。



ドラッグでレイヤー移動できる1

フレームはフレームごと移動させることも可能です。

レイヤーを長押ししたあと、右か左に動かすと……


ドラッグでレイヤー移動できる2

このように、アニメーションの順番を入れ替えることができます。

※フレームの入れ替えはできたのですが、アニメーションの方だとレイヤーの上下を入れ替える方法がわかりませんでした……。
何かしら方法がありそうなのですが。情報ございましたら、ご教示ください。





では、タイムラインのお話も終わりましたので、いよいよアニメーション作成に取り掛かってまいりましょうか。



とりあえず顔を描く

まずは元となる絵を描きましょう。

今回もピク子ちゃん……にしたかったのですが、はじめてのパレットのカラーだと色が不足してしまったため、開き直って別人にしました。

はじめてのパレット、はじめてに向いてなくね……?



まばたきアニメーションを作ろう

最初にアニメーションにチャレンジするなら、目のまばたきを作ってみるのが個人的にオススメでございます。

というわけで、まずはまばたきを作ってみましょう。


まばたきの目を瞑ったところを描く

元になる絵を描き終えたら下の「1」をタップ。
「コピー」を選択して、同じ絵のフレームを増やしましょう。


目のアニメ2

「2」のフレームの目のレイヤーを選び、目を瞑った状態に描き直します。


この2枚だけでも一応アニメーションにはなるのですが、動きはぎこちないです。
ですので、まばたきを滑らかに見せるために「中割り」を追加しましょう。



「中割り」とは、アニメーションで重要となる絵(「キーフレーム」と呼んでいます)の間をつなぐための絵です。
アニメーションを描く際は、最初にキーフレームとなる絵を数枚描き、そのあとで中割りを描き足していく方法が一番わかりやすいかと思います。
(今回のまばたきの場合、「目を完全に開いている絵」と「目を完全に閉じた絵」をキーフレームとして先に描きました)

フレームをコピーして2つ増やし、これもまた目を描き直していきます。


まばたきアニメ2


まばたきアニメ1

このような感じで、元の絵を少しだけ動かして、次のキーフレームの絵に徐々に近づけるイメージで絵を描いてみましょう。

描けたらこの中割りをそれぞれコピー。
コピーしたフレームを右に移動させ、フレームの最後に一番最初のフレームをコピーして持ってきましょう。



文章だとややこしいので簡単にまとめ。


絵の種類は4種類あります。

とりあえず顔を描く




まばたきアニメ2





まばたきアニメ1





目のアニメ2





今のフレームは全部で7つ。
状態は、

フレーム1 = フレーム7 (①の絵)

フレーム2 = フレーム6 
(②の絵)

フレーム3 = フレーム5 
(③の絵)

フレーム4 
(④の絵)


となっています。



さて。
この状態でアニメーションすると、動き自体はまばたきっぽく動いてくれるようになりました。
ようございますね。


ですが……
とにかく延々とまばたきしまくる。


ドライアイの人でもこんなにはまばたきしないため、たまにまばたきをするように設定していきましょう。

右上の歯車アイコンで速度調節

タイムライン右上にある歯車のアイコンを押すと「タイムライン設定」として「1秒あたりのフレーム数」を設定することができます。
この数値が低いほどゆっくり、高いほど速いアニメーションになります。



アニメーションの速さの限界

上限は24までのようです。


というわけで、一括でアニメーションのスピードを変えることはできるのですが……
ドットピクトでのアニメーション作成は「フレームごとに表示する長さを変える」ということができません。
(変える方法をご存知の方がおられましたらご教示ください)


そのため力技になりますが、同じ絵のフレームをたくさん増やすことにしました。



同じフレームを連続させて間を作る
“複製(クローン)”フレームなのです!!

最初の①の絵をひたすらコピーして増やしましょう。

ちなみにワタシの満足するまで増やした結果、全部で16フレーム。「1秒あたりのフレーム数」は12になりました。
これでまばたきアニメーションとしては見られる感じになったかなと。



前髪のアニメーションも作ろう

これだけでもアニメーションとしては問題ないんですが、せっかくなのでもうちょっとだけ作ることに。

前髪だけ風になびいて動く感じにしてみましょう。


前髪アニメ2
前髪アニメ1
前髪アニメ3
前髪アニメ4



まばたきするフレームの少し後に、このような感じで前髪のなびく動きを追加してみました。

ちょっとしたコツとしては、まばたきの時は同じ中割りをコピーして使いましたが、髪の毛の場合は同じ中割りを使わないこと。
髪の毛を動かすときは「先端から生え際の方へ順番に波打って動く」というイメージで進めるとそれっぽくなるかと思います。
先端が最初に動いて、それを後ろ側が遅れてついてくる、というイメージですかね。


そして。

完成アニメ

できました!

サンプルということで簡単にやりましたが、無事にアニメーション作品をドットピクトで作ることができました。



オニオンスキン機能も搭載

今回は簡単なものだったので使用していなかったのですが、ドットピクトはオニオンスキン機能も使用できます。

というか先日追加されたばかりなんですね……!
(記事作成した現在は2022/12/14)


上のツイートからもわかるように、オニオンスキン機能とは「前(後ろ)のフレームを薄く表示して、中割りなどを描きやすくしてくれる機能」です。
いちいち前のフレームの絵を確認するためにフレームを移動したりするのは手間がかかるので、スピーディーな作成のためにとても役立つ機能ですね。


オニオンスキンを表示できる画面

オニオンスキンは「表示設定」をタップして出てくるウインドウにて設定することができます。

前フレーム・後ろフレームで必要な方(もしくは両方)をチェックしましょう。
オニオンスキンの透明度も変更可能。



オニオンスキンの表示

まばたきアニメーションのフレームで試しにオニオンスキンを表示してみました。
こんな感じで前フレームの状態が表示されるので、コレを元に修正していけばよりラクにアニメーションの作成ができるかと。
便利な機能なので積極的に活用してまいりましょう。


まとめ

ドットピクトでのアニメーション作成を実際に体験しながら語らせていただきました。
シンプルな作りになっており、細かな部分では気になる点もございますが、そもそもアニメーションを手軽に作成できるアプリというもの自体が貴重。
そういう意味で、とても独自性の高い機能だと思います。


無料版ではレイヤー数の制限などがございますが、有料版では上限が大きく広がるので、スマホアプリで本格的なドット絵アニメーション作成もできそうですね。



ワタシも最初にアニメーションしている作品を見た時は

「こんなの作れる気がしないよ!!」

と思っておりましたが、簡単な動き(ワタシは最初にまばたきアニメーションを作るところからスタートしました)を作ってみると

「い、意外とやれるのでは……?」

という気になれます。


今回の話を聞いていただいているのであれば、アナタもきっとアニメーションに多少なり興味があるはず。
最初は2~3フレームのものでも十分だと思います。一度、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。


さて…そろそろお時間です。
またのご面会、心よりお待ちしております。

この記事がお気に召したなら、

ギャラリーからワタシの作品を見ていただいたり、

Misskeyアカウント(@daidaimyou)
Caraアカウント
X(旧Twitter)アカウント(低浮上)(@daidaimyou)

をフォローいただけますと脱獄の励みになります。よろしくお願いいたします。

ドット絵(一枚絵・アニメーション)制作のお仕事も承っております。
お仕事依頼ページよりご連絡くださいませ。(現在受付停止中)

コメント

タイトルとURLをコピーしました